「強化ガラスが爆発的に突然割れる」は本当か│原因および4つの対策を解説
「強化ガラスが突然割れることはありますか?」
こうした不安の声を頂くことがあります。
そこで本記事では、強化ガラスが突然割れることはあるのか、答えと指摘される理由について解説します。
知っておきたい、強化ガラスならではの割れ方や対策も紹介しますので、強化ガラスの利用について迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
このコラムのポイント |
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Contents
「強化ガラスが割れる」は本当
結論からお伝えすると、強化ガラスは割れることがあります。
国民生活センターでも、強化ガラス製品が破損する例として、強度や温度変化に強いフライパンのガラス蓋が破裂した事例が紹介されています。
〈参考〉国民生活センター フライパンのガラス製ふたが突然破裂した!
このように、強化ガラスであっても割れる可能性はありますので、手荒に扱うことは避けましょう。
強化ガラスが割れる原因とは
加工を施すことによって強度を高めた強化ガラスですが、どうして割れることがあるのでしょうか。
原因を確認するためには、強化ガラスの仕組みから把握する必要があります。
強化ガラスの製造方法を確認
強化ガラスは一般的なガラスとは異なり、一度ガラスを加熱したあと、急激に冷却させることで強度を高めた製品です。
急冷によって、ガラスの内側に引っ張りの力が、外側に圧縮の力が常に作用することで、外力や熱に強い性質を持つこととなります。
このようにして生産された強化ガラスは、建材や家具のほか、車両やテーブル、店舗のディスプレイなど幅広い箇所に利用されます。
強化ガラスが割れる理由(1)温度変化
常に引っ張りと圧縮の力が働くことで強度を保つ強化ガラスが割れる理由は、主に3つあります。
1つ目は、強化ガラスに対する温度変化です。
見た目には変化のないガラスですが、実は温度変化によってわずかに膨張と収縮を繰り返しています。
このとき、注意するべきは強化ガラスの製造工程で混入、生じた不純物です。
不純物が混入した強化ガラスは、不純物のある場所とない場所との間でわずかながら膨張、収縮率に違いが生まれますので、この変化に耐えきれなくなった場合に強化ガラスは割れます。
「何もしていないのに割れた」というケースも、多くの場合は不純物と温度変化の関係です。
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強化ガラスが割れる理由(2)表面のキズ
2つ目は、表面のキズです。
強化ガラスは内側の引っ張りの力と外側の圧縮の力との間で、適切にバランスが取れていることから安定しています。
このとき、表面に深いキズがついた場合など、引っ張りと圧縮の力のバランスが崩れてしまうと割れてしまいます。
強化ガラスが割れる理由(3)特定の方向、または点での衝撃
3つ目は、特定の方向からの衝撃、または1点に集中する衝撃です。
強化ガラスは面に対する衝撃には強いですが、小口(ガラスの切断面)に対する衝撃があると、一度に割れてしまう可能性があります。
また、ドライバーのように点に集中する衝撃を受けた場合も、一度に全体が割れることがあります。
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強化ガラスに対して紹介した外力が生じる環境で使用していて、「割れるのでは?」と不安に感じている方は、首都圏で窓のリフォームをするゼロハーモニー(株式会社MAC(マック))まで、お気軽にご相談ください。
状態の確認だけあっても、速やかにお伺いしチェックいたします。
強化ガラスの割れ方を確認
強化ガラスが割れることについて、把握しておきたいことは「割れ方」です。
「爆発的に割れる」と言われることもある、強化ガラスの割れ方について確認しましょう。
大きな音とともに全体が爆発的に破裂する
強化ガラスは、割れるときは大きな音が発生し一度に全体が割れます。
大規模に音を立てて割れることから「爆発的に」と表現されることがあります。
一般的なガラスのように部分的に割れたり、亀裂が走ったりすることなく、全体が一度に割れますので注意しましょう。
なお、引っ張りと圧縮それぞれの力が開放されることから、爆発的に割れると破片が飛び散るケースもあります。
ただし、一般的なガラスのように鋭利な刃物状となることは少なく、粉々の状態になる点も特徴的です。
他のガラスとの割れ方の違いを確認
ここで改めて、他のガラスが割れた場合とどのように違うのか確認しましょう。
●一般的なガラス(フロートガラス)
- 住宅などで一般的に利用されているガラス
- 割れたとき、ナイフのような鋭利な先端を持つ破片となる
- 外力を受けたとき、割れずにヒビだけ生じること場合もある
●合わせガラス(防犯ガラス)
- 2枚のガラスの間に樹脂フィルムを挟んだ製品
- ガラスが割れても接着したフィルムの効果で破片が落下しない
- フィルムの厚みによっては防犯性も兼ね備える
●網入りガラス
- ガラスの内側に金属製の網が挟み込まれた製品
- 比較的衝撃に弱いものの、網の効果で割れても破片が飛び散らない
このように、ガラスは製品によって割れ方が異なりますので、使用する場所によって最適なガラスを選ぶことが重要です。
「窓のリフォーム後にどのガラスを設置するべきか?」こうした個別の疑問についてもお答えしますので、首都圏での窓のリフォームはゼロハーモニー(株式会社MAC(マック))まで、お気軽にご相談ください。
強化ガラスが割れることへの対策を紹介
では、強化ガラスが割れることはどのように対策を取ればよいのでしょうか。
次の4つの対策を検討しましょう。
合わせガラスを利用する
1つ目は、合わせガラスを利用することです。
強化ガラスは、合わせガラスと組み合わせて利用することができます。
強化ガラスの間にフィルムを挟むことが可能ですので、日常的には衝撃に強い強化ガラスとして、万が一割れてしまったときには合わせガラスとしての効果(割れたガラスが飛び散らない)を期待できます。
飛散防止フィルムを貼り付ける
2つ目は、飛散防止フィルムを貼り付けることです。
飛散防止フィルムは、ガラスの表面に貼り付けることで、合わせガラスと同様に爆発的に飛散することを防ぐ効果を期待できます。
ただし、フィルムの製品によっては紫外線や熱の影響で色あせが生じるなど、定期的に交換する必要がある点はデメリットです。
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キズ、ゆがみ、曇りを見つけたら交換する
3つ目は、キズやゆがみ、曇りを見つけたとき交換することです。
強化ガラスが割れる原因は、引っ張りと圧縮の力のバランスが崩れることです。
- 表面に目立つキズがある場合
- ガラスが目視で分かるほどゆがんでいる場合
- ガラスの内部の曇りが気になった場合
こうしたケースに遭遇した場合は、専門家に相談して状態を確認するか、早めに交換を依頼することをおすすめします。
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メンテナンスの方法に注意する
4つ目は、日常的なメンテナンスの方法に注意することです。
強化ガラスはキズによって割れる可能性がありますので、メンテナンスの際もキズが入らない方法を利用してください。
ガラスの洗浄剤の中には、研磨剤が含まれているものがあります。
こうした製品を避けることで、拭き取りや掃除の際のキズを避けましょう。
まとめ
「強化ガラスが爆発的に突然割れることがある」
こうした不安を抱えている方に向けて、強化ガラスが割れる事態を防ぐための対策について解説しました。
強化ガラスは製作時の熱の加え方によって、常に引っ張りと圧縮の力が加わり続けることにより強度を出したガラスです。
一方で、小口への衝撃や一点に対する衝撃に弱く、一度に全体が割れるなどの問題もありますので、使い所を入念に検討するべきガラスともいえます。
お使いの窓や玄関など、サッシやガラスの性能や機能に不満があり、どのガラスに交換するべきか迷っている方は、ゼロハーモニー(株式会社MAC(マック))まで、お気軽にご相談ください。