トリプルサッシを入れても寒いと感じる理由とは|快適に過ごすための対策と見直しポイントを解説
トリプルサッシは、高い断熱性能で評判の窓です。
しかし、導入した方々の中には、「思ったほど暖かくならない」「窓際が冷たく感じる」と感じているケースも少なくありません。
トリプルサッシを取り入れても寒さが解消されない背景には、窓の性能以外の原因が潜んでいる場合があります。
この記事では、「トリプルサッシにしたのに寒い」と感じる理由をわかりやすく解説し、快適な室温を保つためのポイントと対策を紹介します。
Contents
トリプルサッシを導入しても「寒い」と感じる原因とは
トリプルサッシは、3枚ガラスと中空層によって高い断熱性を備えた窓です。
しかし、実際には以下のような原因によって「トリプルサッシにしたのに寒い」と感じることもあります。
家全体の断熱性や気密性が不十分
トリプルサッシは高い断熱性能を備えた窓ですが、家全体の断熱性や気密性が確保されていなければ、その性能を十分に発揮できません。
特に築年数の古い住宅では、断熱材の量や質が不十分だったり、経年劣化していたりすることが多く、現代の省エネ基準を満たしていないことも多いため注意が必要です。
また、既存の枠を活かすリフォームや、建物に歪みがある場合などでは、わずかな隙間や構造上のズレが気密性に影響を与え、冷気が入り込む原因になることがあります。
断熱性能が高くても、すき間風が入り込むような状態では、室内の暖気は逃げ、外の冷気が流入してしまいます。
断熱と気密はセットで考える必要があり、どちらかが欠けると快適な室温は保てません。
窓際で感じる「冷たさ」は体感温度のギャップによるもの
トリプルサッシは高い断熱性を備え、冷気の侵入や熱の流出を大きく抑えることができます。
しかし、「窓際に立つと冷たく感じる」「暖房をつけているのに足元が冷える」といった体感的な寒さを完全にゼロにすることは難しい場合もあります。
その要因のひとつが「冷放射」です。
室温が保たれていても、体が窓の面に熱を奪われるように感じて冷たさを感じる現象です。
トリプルサッシでもこの効果は大幅に緩和されますが、窓の面積が大きい場合や窓際に長時間いる場合などでは、わずかに冷たさを感じることもあります。
首都圏で窓のリフォームをお考えの方は、ゼロハーモニー(株式会社MAC(マック))へお問い合わせください。
トリプルサッシの効果を高めるための対策
トリプルサッシを取り入れても寒さが残る場合は、窓の性能だけでなく、室内環境全体を見直すことで改善できる可能性があります。
以下の対策を紹介します。
- 内窓の設置や断熱カーテンの使用などの工夫
- 窓周りの気密処理や再施工の検討を行う
- 家全体の断熱リフォームも視野に入れる
内窓の設置や断熱カーテンの使用などの工夫
既存の窓にひと工夫を加えることで、寒さを軽減する方法があります。
たとえば、内窓(2重窓)を追加することで、窓の断熱性や気密性をさらに高めることができます。
また、断熱カーテンや断熱ブラインドも、手軽に導入できる対策のひとつです。
窓と室内の間に空気の層をつくることで、外気の影響をやわらげ、体感温度を高めることができます。
窓周りの気密処理や再施工の検討を行う
寒さの原因がすき間風や取り付けのズレにある場合は、窓周りの気密性を確認し、必要に応じて補修や再施工を検討することが大切です。
気密テープやシーリング材の劣化、枠と壁の納まりの悪さなど、目に見えにくい部分に原因が潜んでいることも少なくありません。
専門業者による気密チェックや、サーモカメラを使った温度確認を行うことで、改善ポイントを明確にしてもらうのもおすすめです。
家全体の断熱リフォームも視野に入れる
窓の断熱性能だけで寒さを解決できない場合、家全体の断熱性能を見直すことも視野に入れる必要があります。
たとえば、壁、天井、床下などに断熱材を追加する断熱改修や、気密性を高めるための施工を組み合わせることで、住まい全体の熱損失を大幅に改善することが可能です。
費用はかかりますが、冷暖房効率が大きく向上し、光熱費の削減にもつながるため、長期的には経済的なメリットが期待できます。
〈関連ページ〉玄関・廊下の寒さ対策はリフォームするのがベスト|根本的に解決して快適に過ごそう
トリプルサッシの導入後に後悔しないためのポイント
トリプルサッシの導入後に後悔をしないためには、性能だけでなく使い勝手や住まい全体との相性にも目を向けることが大切です。
開閉の重さや費用の高さに戸惑うことも
トリプルサッシは3枚のガラスを使用する構造のため、重量が重いというデメリットがあります。
このため、開閉時に「重い」「動かしづらい」と感じる方も少なくありません。
また、トリプルサッシは他のガラスと比較して初期費用が高くなる傾向があります。
高い断熱性能や防音性能などのメリットがある一方で、価格に対する期待値とのギャップが、後悔につながることもあります。
地域によっては性能を持て余す場合もある
トリプルサッシの断熱性能は優れていますが、すべての地域でその性能を最大限に活かせるとは限りません。
比較的温暖な地域では、冬場の外気温がそれほど低くならないため、「そこまでの断熱性能は必要なかった」と感じることもあります。
建物が建っている地域の気候や、住宅全体の断熱設計とのバランスを踏まえて選定することが重要です。
首都圏で窓のリフォームをお考えの方は、ゼロハーモニー(株式会社MAC(マック))へお問い合わせください。
断熱リフォームの内容と費用の目安
主な断熱リフォームの工事内容と、費用の目安をご紹介します。
リフォーム内容 | 特徴 | 費用目安 |
---|---|---|
内窓(2重窓)の設置 | 既存の窓の内側に窓を追加し、空気層を増やして断熱・防音効果を高める | 約5万〜15万円 |
サッシ周りの気密補修・調整 | 気密テープの施工や建付けの調整により、すき間風の侵入を防ぐ | 約2万〜8万円 |
断熱材の追加(壁・床・天井) | 家全体の断熱性能を高め、冷暖房効率を向上させる | 約30万〜100万円以上 |
※費用は工事規模・製品仕様・施工方法によって異なります。
断熱性能を高めるための窓リフォームには、以下のような補助金制度を活用できる場合があります。
- 子育てグリーン住宅支援事業
- 先進的窓リノベ2025事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 省エネリフォーム促進税制
各自治体が独自に実施している制度もあるため、お住まいの地域の補助金制度を確認しましょう。
〈関連ページ〉【2025年】真空ガラスや二重窓など、断熱窓・ガラスへの交換リフォームの補助金解説│制度の調べ方や注意点も紹介
トリプルサッシに関するよくある質問
最後に、トリプルサッシについて、よく寄せられる質問にお答えします。
トリプルサッシのデメリットは何ですか?
トリプルサッシには高い断熱性能や防音性能といったメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。
主なデメリットは、以下のとおりです。
- 導入コストが高い
- 開け閉めが重く感じることがある
- 地域によっては、性能を持て余すことがある
- 施工や交換が大掛かりになる場合もある
トリプルサッシは、高性能な窓ですが、すべての住まいに最適とは限りません。
メリットとデメリットを把握したうえで、自分たちの暮らしに合った性能かどうかを判断することが大切です。
ペアガラスとトリプルガラス、どちらが良いですか?
一概にどちらが「良い」とは言えず、目的や地域、建物の断熱性能によって適した選択は異なります。
窓の断熱性能は「熱貫流率(U値)」という数値で表されます。
この値が小さいほど、断熱性能が高いことを意味します。
【主な窓の種類とU値の比較】
窓の種類 | 熱貫流率(U値) |
---|---|
フロートガラス(単板ガラス) | 5.7〜6.0W/㎡K |
ペアガラス(Low-E複層ガラス) | 1.2〜2.9W/㎡K |
トリプルガラス | 0.78〜0.99W/㎡K |
<引用>YKK AP商品カタログより
※実際のU値は、フレームの材質やスペーサーの種類によって変動します。
U値が6.0から1.2に下がると、窓からの熱損失は約1/4〜1/5に抑えられるとされており、数値上ではトリプルガラスのほうが優れています。
ただし、実際の体感温度には他の要素も影響するため、数値だけで判断するのは難しい場合があります。
どちらが適しているか迷う場合は、住宅の断熱状況やライフスタイルを踏まえたうえで、専門業者に相談するのが安心です。
〈関連ページ〉ペアガラスとトリプルガラスの違いを比較|どっちがいいか判断する際のポイントも解説
まとめ
トリプルサッシは高い断熱性能を持つ窓ですが、導入しても寒さを感じる場合があります。
主な原因は、家全体の断熱性・気密性の不足や、窓から発生する冷放射現象にあります。
トリプルサッシの効果を高めるためには、内窓や断熱カーテンの併用、窓周りの気密処理、さらには家全体の断熱リフォームを視野に入れることが大切です。
ご自宅の状況や地域の気候条件に合わせて、最適な窓選びをしましょう。
首都圏で、家全体の断熱性能を高めるためのリフォームをお考えの方は、ゼロハーモニー(株式会社MAC(マック))へお気軽にご相談ください。