ブロック塀の倒れ・倒壊、防止する方法5選│金具・アングルやシートなど手法を解説、DIYや責任の所在についても紹介
「ブロック塀が倒れそう。防止する方法はありますか?」
「ブロック塀が倒れる、劣化の目安はありますか?」
本記事では、こうした疑問にお答えします。
コンクリートブロックを積み上げて作る塀は一見すると頑強そうに見えますが、長く使用し続けると劣化して倒壊する危険性があります。
重量のあるコンクリートブロックが倒壊すると、人的被害、物的被害につながる恐れもありますので、倒れてしまう前に防止する対策を講じましょう。
このコラムのポイント |
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Contents
「ブロック塀が倒れそう」はどうして分かるのか
はじめに、ブロック塀が倒壊してしまう目安はあるのか確認しましょう。
また、過去の被害や万が一倒壊して人的被害、物的被害を与えてしまった場合の責任についても確認しましょう。
危険なブロック塀のチェックポイント
全国建築コンクリートブロック工業会では、倒壊する危険性のあるブロック塀についてチェックポイントとして以下のとおり紹介しています。
- 傾き、またはグラツキがある
- ひび割れがある
- 高さが高すぎる
- 控え壁の間隔が広すぎる。また控え壁がない
- 透かしブロックが連続して使用されている。また多すぎる(鉄筋が入らない)
- 築後30年以上たっている。またブロックがボロボロである
- 石垣などの上に建っている
- 土留めに使っている
〈参考〉全国建築コンクリートブロック工業会 チェックポイント
こうした特徴のあるブロック塀は、地震や台風、大雨などの外力がかかった瞬間に倒壊する危険性がありますので、対策を取ることをおすすめします。
〈引用〉国土交通省 建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検について
また、国土交通省では、ブロック塀点検のチェックポイントとして資料を公表しています。
全国建築コンクリートブロック工業会のポイントに加えて、塀の厚さや基礎の有無、塀の中の鉄筋についても確認事項が加えられています。
ブロック塀倒壊による物的、人的被害に注意
紹介した特徴のあるブロック塀を放置した場合など、ブロック塀が倒壊した場合は具体的にどのような問題につながるのでしょうか。
実は過去、宮城県沖地震や大阪北部地震において、ブロック塀の倒壊によって人命が失われる事態が発生しています。
〈参考〉
ブロック塀の倒壊により他人に損害を与えた場合は、所有者に損害賠償責任が生じる可能性もあります。
何より自宅のブロック塀が人命を奪うことのないように、地震が発生する前の今こそ安全性の確認と適切な補強を施しましょう。
首都圏でブロック塀の安全性について不安を抱えている方は、ゼロハーモニー(株式会社MAC(マック))まで、お気軽にご相談ください。
ブロック塀が劣化する4つの原因
ブロック塀は適切な施工をしていても、徐々に劣化することがあります。
主な原因は次の4つです。
- 施工不良によるモルタルの充填不足など
- 二酸化炭素によるモルタルの中性化
- ブロックのひび割れや表面のはがれ
- 雨水の浸透による鉄筋のサビ
ブロック塀を適切に施工できている場合でも、空気中の二酸化炭素によるモルタルの中性化、雨水の浸透による鉄筋のサビといった原因で劣化は進行します。
「我が家のブロック塀は鉄筋が入っているから大丈夫」とは思わずに、紹介した「危険なブロック塀」の目安を確認し、また専門家に状態の確認を依頼しましょう。
ブロック塀の倒壊を防止する5つの対策
具体的にブロック塀が倒れることを防ぐには、次の5つの対策を検討してみましょう。
- ひび割れなどを早期に補修する
- アングル・鉄骨・金具の利用
- 支えとなる控え壁を設置する
- シートの利用でブロック塀を一体化する
- 適切な高さまでブロック塀を下げる
〈関連コラム〉
ブロック塀「6つの補強方法」補強の必要性や気になる疑問についても回答
ひび割れなどを早期に補修する
1つ目は、ひび割れなどを早期に補修することです。
ひび割れの発生したブロック塀は、ブロック内部への雨水の侵入による鉄筋の腐食、モルタルの剥がれといった問題を引き起こします。
このため、ひび割れた箇所に対してシーリング材や補修用のモルタルを塗布するなどして、さらなる劣化を防ぐことが重要です。
アングル・鉄骨・金具の利用
2つ目は、アングル材(金属製のL字材)や鉄骨、ブロック塀補強用の金具を利用することです。
こうした鋼材系の製品を利用して、ブロック塀と新たに設ける基礎とを連結することで、地震による倒壊を防ぎます。
また、ブロック塀に向かって斜めに鋼材を設置することで支え棒となり、同様に倒壊を防ぐことが可能です。
支えとなる控え壁を設置する
3つ目は、ブロック塀の支えとなる控え壁を設置することです。
控え壁とは、ブロック塀と直交方向に塀を支えるように設置する壁を指します。
控え壁があることで塀の揺れを防ぎ、倒壊しづらいブロック塀になります。
塀の高さが1.2mを超える場合に、塀の長さ3.4mごとに控え壁を設けることが国の基準で推奨されていますので、基準を満たしていない場合は設置を検討しましょう。
シートの利用でブロック塀を一体化する
4つ目は、ブロック塀を覆う形で一体化するシートの利用です。
ブロック塀は小さなコンクリートブロックを積み重ねて構成されますが、経年劣化によって継ぎ目からズレる、崩れる可能性があります。
ここで専用の補強シートを利用することで、包み込むように接着しブロック同士のズレを防ぐことが可能です。
適切な高さまでブロック塀を下げる
5つ目は、ブロック塀を適切な高さになるまで低くすることです。
ブロック塀は高さがあることで、倒壊した場合の危険度が高くなります。
このため、たとえば40~50cmなどの高さまで低くすることで、万が一倒壊した場合の被害を軽減することが可能です。
低くしたコンクリートブロックを基礎にして、重量の軽いフェンスを利用すれば、防犯性を損ねることなく安全性を高められます。
〈関連コラム〉
【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法5つの規定(高さ・基礎など)|リフォーム時の補助金も簡単解説
このような方法を利用すれば、ブロック塀が倒れる可能性を下げることが可能です。
首都圏でブロック塀の倒壊防止対策をご検討中の方は、ゼロハーモニー(株式会社MAC(マック))まで、お気軽にご相談ください。
ブロック塀の倒壊に関連する疑問
記事の終わりに、ブロック塀の倒壊に関連して受けることの多い質問について回答します。
DIYでの施行は可能ですか?
A.ブロック塀の倒壊対策はプロに依頼することをおすすめします。
ブロック塀は重量のある建材で、施工に慣れたプロの技術でなければ安全を担保することはできません。
また、現状のブロック塀を撤去する際には、塀や鉄筋の切断などの工程がありますので、慣れた方でなければケガをする危険もあります。
エクステリア工事を受注するプロに依頼しましょう。
安く施工する方法はありますか?
A.ブロック塀の倒壊対策を安くするおすすめの方法は、自治体が運用する補助金を利用することです。
ブロック塀の倒壊は全国的な問題となっていて、各自治体が撤去やフェンスへの交換に補助金を用意しています。
たとえば千葉県市原市では、危険性が認められたブロック塀の撤去、および撤去後のフェンス新設に対して以下のとおり補助金を運用しています。
危険ブロック塀等撤去の補助
次の(1)(2)のいずれか少ない方の額(上限30万円)
- (1)撤去するブロック塀等の長さ(m)×12,000円
- (2)実際の工事費
撤去後のフェンス新設の補助
次の(1)(2)のいずれか少ない方の額(上限15万円)
- (1)新設するフェンスの長さ(m)×10,900円
- (2)実際の工事費
〈引用〉千葉県市原市 危険ブロック塀等の安全対策事業のご案内
その他、東京都でも各区で特色のある補助制度が運用されていますので、お住まいの自治体での補助制度を確認してみましょう。
〈参考〉東京都 都内における民間のブロック塀等の安全対策に係る補助制度一覧
〈関連コラム〉
【ブロック塀撤去への補助金】東京都を事例に解説│撤去の必要性や健全性の目安、関連する疑問へも回答
まとめ
「ブロック塀が倒れることを防止する対策はありますか?」
こうした疑問にお答えしました。
ブロック塀の倒壊防止は、控え壁を設置する方法や金具を利用する方法、高さを抑える方法など多岐にわたります。
どの方法が適しているのかは、現場やお施主様のご意向によって変わりますので、まずは危険性の有無について専門家に問い合わせることをおすすめします。
首都圏でのブロック塀の撤去やフェンスへの交換など、安全性を高めるリフォームをご検討中の方は、ゼロハーモニー(株式会社MAC(マック))まで、お気軽にご相談ください。