ブロック塀「6つの補強方法」補強の必要性や気になる疑問についても回答
敷地内にブロック塀がある家にお住まいの方の中には、地震や台風の際に倒壊することが不安になる方もいらっしゃいます。
そこで本記事では、ブロック塀に対して補強が必要になる理由や、具体的な補強方法について解説します。
頂くことの多い質問や回答もお伝えしますので、ブロック塀の補強について知りたい方はぜひ参考にしてください。
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このコラムのポイント |
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ブロック塀の補強が必要な理由
はじめに、ブロック塀を補強する必要があるのはどうしてなのか、主な理由を紹介します。
自然に倒れる可能性があるから
劣化が進行したり、破損したブロック塀は自然に倒れる心配があり、ブロック塀が倒れると人的被害、物的被害が生じる恐れがあります。
補強工事をすることで、自宅のブロック塀が倒れて被害を与える可能性を抑えられるため、ブロック塀の補強が必要です。
地震時や強風時に倒れる可能性があるから
劣化によって自然に倒れることのほか、地震の揺れ、強風の風圧を受けて倒壊する危険性もあります。
地震や台風などによって起こるブロック塀の倒壊は広い範囲におよぶ恐れがありますので、人的被害、物的被害を与える可能性が高まります。
ブロック塀についての事件を紹介
ブロック塀は過去、実際に倒壊によって被害が生じていますので事件の例を紹介します。
- 【昭和53年】宮城県沖地震でブロック塀が倒壊、11人が犠牲に
- 【平成30年】大阪北部地震でブロック塀が倒壊、1人が犠牲に
- 【令和5年】通学時にブロック塀が倒壊、1名が骨折
このように、ブロック塀の倒壊によるケガや死亡事故は定期的に発生し報道されています。
ご自宅のブロック塀がご自身やご家族、周囲の人を傷つけることのないように対策が必要です。
〈参考〉
耐震についての義務があるから
ブロック塀の補強は、法律で義務付けられていることも補強するべき理由です。
ブロック塀について、建築基準法では以下のように規定されています。
- 高さを2.2m以下とすること
- 壁の厚さは15cm以上(2m以下の塀では10cm以上)とすること
- 縦横に規定の太さ以上の鉄筋を配置すること など
ブロック塀を安全に利用するための基準が定められていますので、既存のブロック塀についても基準を満たすよう補強することが求められます。
ブロック塀の安全性を確認する方法
ブロック塀の安全性を確認する方法について、国土交通省が資料を公表していますので、安全性が気になる方は確認してみましょう。
〈引用〉国土交通省 建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検について
主なポイントは、以下の5つです。
- 塀の高さは地盤から2.2m以下か
- 塀の厚さは10cm以上か(高さ2m超の場合は15cm以上)
- 塀の長さ3.4m以下ごとに一定の控え壁があるか
- コンクリート製の基礎があるか
- 塀に傾きやひび割れはないか
また、専門家に相談して、規定の太さや量の鉄筋が入っているか確認することも勧められています。
首都圏でブロック塀の強度に不安を感じている方は、外構リフォームを取り扱う、株式会社MAC(マック)まで、お気軽にご相談ください。
既設のブロック塀を補強する「6つの方法」
ブロック塀が安全の基準を満たしていない場合や、ひび割れや傾きなどの変状が生じている場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
次の6つの方法を検討してみましょう。
- ひび割れを補修する
- 新たに控え壁を設ける
- 耐震補強金具や鉄骨を利用する
- 耐震シートを利用する
- 撤去、新設する(状態が悪い場合)
- ブロック塀を低くしてフェンスを立てる
ひび割れを補修する
1つ目の方法は、ひび割れを補修することです。
ひび割れがあると、ブロック塀の内部に雨水が侵入し、内部のモルタルや鉄筋の劣化を引き起こします。
また、冬場に水分が凍結・融解を繰り返すと、膨張と収縮の効果でひびが拡大、さらに強度が落ちることとなります。
- 防水性のあるモルタルやシーリング材でひび割れを埋める
- エポキシ樹脂を注入して深い箇所まで補修する
- ひび割れた箇所を撤去し新しく作り直す
こうした方法で、ひび割れた箇所を補強することが可能です。
新たに控え壁を設ける
2つ目は、控え壁を設けることです。
控え壁とは、ブロック塀に対して直角に設置する支え用の壁のことで、地震や強風時にブロック塀が倒れることを防ぎます。
塀の高さが1.2mを超える場合に設置することが義務付けられていますが、古いブロック塀などでは設置されていないケースがあります。
既存の塀を撤去せずに補強できることから、費用を抑えて補強できる点が大きなメリットです。
耐震補強金具や鉄骨を利用する
3つ目は、耐震補強金具や鉄骨を利用することです。
設置する目的は控え壁と同様で、既存のブロック塀に対して直角方向に鋼材を設置します。
ブロックで控え壁を作る場合と比較して費用は高くなるものの、省スペースに対してコンパクトに設置できることから、通路を確保したい場合に適しています。
耐震シートを利用する
4つ目は、耐震シートを利用することです。
耐震シートとは、炭素繊維など強度の高いシートでブロック塀を覆うことで、塀全体を一体化して強度を高める方法です。
控え壁や補強金具を利用した上で、さらに耐震性を高めたい場合や高さのあるブロック塀に利用されます。
撤去、新設する(状態が悪い場合)
5つ目は、ブロック塀を撤去、新設することです。
- ブロック塀の劣化が進行している場合
- ブロック塀に基礎が入っていない場合
このように地震や台風などに対して危険な状態である場合、控え壁などでは対処できない場合もあります。
ブロック塀を支えるために最も重要な基礎を入れるために、一度塀を撤去して強固な基礎を作り、改めてブロック塀を新設します。
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ブロック塀を低くしてフェンスを立てる
6つ目は、ブロック塀を低くしてフェンスを立てることです。
フェンスはコンクリートブロックと比較して軽量であることから、地震や台風などを受けても被害が生じにくい特徴を持っています。
既存のブロック塀を2~3段程度に抑えた上で、ブロック塀を支えにフェンスを立てることも検討してみましょう。
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既設のブロック塀がある場合、こうした対策を講じることで強度を高めて安全性を担保できます。
どの方法が適しているかは、ブロック塀の現況や予算によって変わりますので、首都圏でブロック塀の補強を検討している方は、株式会社MAC(マック)まで、お気軽にご相談ください。
ブロック塀の補強についての疑問へ回答
記事の終わりに、ブロック塀の補強について、よくある疑問と回答をご紹介します。
隣家の境界上にある場合や接している場合はどうする?
A.正しい隣地境界線やブロック塀の所有者を確認した上で、撤去・新設することをおすすめします。
隣地との境界線をまたぐようにブロック塀が設置されている現場は多く見られます。
補強で対処することもできますが、将来土地の売買などの際にトラブルとなる可能性もありますので、自宅、または隣家の敷地内に収められるように更新しましょう。
費用を準備できない場合はどうする?
A.控え壁やブロック塀の段数を減らして高さを抑える工事など、比較的安価な工事を選びましょう。
また、自治体によってはブロック塀の補強工事や撤去に対して補助金を用意している場合もありますので確認しましょう。
自分で少しずつ施工するDIYでは対応できませんか?
A.ブロック塀の倒壊は人命に関わる恐れがありますので、専門家に依頼することをおすすめします。
DIYに慣れている方であっても、基準に適合する精度の高い施工は難しいものです。
外構工事の施工実績を持つリフォーム会社に依頼し、地震や台風を受けても被害が生じないブロック塀にしましょう。
まとめ
「ブロック塀を補強する方法を教えてください」
こうした疑問にお答えしました。
ブロック塀は地震や台風などで倒壊した場合に、人命に関わるケースもありますので、十分な強度が求められます。
また、令和5年には手で触れたブロック塀が崩落し小学生が骨折する事件も起きています。
こうした事件、事故につながることのないように、ブロック塀の安全性を点検した上で、適切な補強を施しましょう。
首都圏のブロック塀についての不安は、株式会社MAC(マック)まで、お気軽にご相談ください。