【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法6つの規定(高さ・基礎など)|リフォーム時の補助金も簡単解説

【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法6つの規定

ブロック塀の上にフェンスを設置する場合、建築基準法・関連法令にもとづいて、「高さ」「基礎」などを設計する必要があります

施工業者に依頼するにあたって、「前もって正しい情報を確認したい」「地震発生時の倒壊・崩壊を防ぎたい」とご希望の方が多いのではないでしょうか。

そこで、首都圏のエクステリアの専門家『株式会社MAC(マック)』が、ブロック塀の上にフェンスを設置する際に必ず確認するべき規定を、わかりやすくお伝えします。

大地震で簡単に倒壊・崩壊しない外構を完成させて快適な暮らしを送るために、ぜひ最後までご覧ください

 

※今回は建築基準法の規定を紹介しますが、地方公共団体の条例に別の規定が存在する場合もあります。

条例は地方公共団体ごとに違い、この記事ですべてを紹介するのは難しいため、詳しくはお住いの市町村・施工業者へご相談ください。

 

首都圏で「ブロック塀の上にフェンスを設置する」といったエクステリア工事を検討中の方は、株式会社MAC(マック)へお問い合わせください。

丁寧に現地調査をしたうえで、ご予算・要望をうかがって適切なプランを提案いたします

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【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法5つの規定(高さ・基礎など)

【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法6つの規定

ブロック塀の構造は主に2種類(補強なし・補強あり)で、必ず確認するべき建築基準上の規定は以下のとおりです

  • ブロック塀のみの高さ制限、フェンスを乗せる場合の高さ制限
  • コンクリートの基礎が必要
  • ブロック塀の高さに応じて厚さの規定がある
  • ブロック塀の高さ・長さに応じて控壁が必要
  • (補強コンクリート造のみ)鉄筋の適切な配置・施工が必要

それぞれ、施工業者のプラン提案が適切かどうかを判断できるように、わかりやすくお伝えします。

ブロック塀のみの高さ制限・ブロック塀の上にフェンスを設置する高さ制限

【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法6つの規定

ブロック塀のみの高さ制限は、以下のとおりです

構造 高さ制限
組積造(読:そせきぞう)
(鉄筋・モルタルで補強していないブロック塀)
1.2m以下
補強コンクリート造
(鉄筋・モルタルで補強しているブロック塀)
2.2m以下

〈参考〉
・組積造:建築基準法施工例 第六十一条
・補強コンクリート造:建築基準法施工例 第六十二条の八 一

 

古いブロック塀は組積造の場合がありますが、補強のない構造は耐震性が低いため、現代のブロック塀の多くは補強コンクリート造です。

また、建築基準法・関連法令には「ブロック塀にフェンスを設置する」といったアレンジをする場合の高さについて、詳細な規定がありません

そのため、ブロック塀にフェンスを設置する場合も、高さを2.2m以下にするのが一般的です

既存のブロック塀の強度・フェンスの高さ・デザインなど、バランスを考慮して全体的に強度を確保する必要があるため、詳しい工事内容は施工業者へご相談ください。

 

ブロック塀が高いと、侵入者が2階から侵入しやすくなる場合があります。2階からの侵入防止対策を、こちらの記事で確認できます。

〈関連ページ〉雨樋に忍び返しを取り付ける効果とは?2階バルコニーやベランダの侵入防止柵など防犯グッズも紹介

コンクリートの基礎が必要

【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法6つの規定|基礎

ブロック塀の基礎に関する規定は、以下のとおりです

構造 規定
組積造 根入れの深さ:20cm以上
補強コンクリート造 ・根入れの深さ:30cm以上
・基礎全体の高さ:35cm以上

〈参考〉
・組積造:建築基準法施工例 第六十一条
・補強コンクリート造:建築基準法施工例 第六十二条の八 一

「根入れの深さ」とは、地中に埋まっている基礎の深さのことです。

ブロック塀の上にフェンスを設置すると高さが増すため、強風・地震の揺れに耐えられる強固な基礎が必要です。

ブロック塀の高さに応じて厚さの規定がある

【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法6つの規定|厚さ

ブロック塀の厚さに関する規定は、以下のとおりです

構造 規定
組積造 ブロック塀の格段から最上段までの垂直距離の1/10以上
(高さ制限が1.2mのため、一番厚い部分で厚さ12cm以上)
補強コンクリート造 ・高さ2m超:15cm
・高さ2m以下:10cm以上

〈参考〉
・組積造:建築基準法施工例 第六十一条
・補強コンクリート造:建築基準法施工例 第六十二条の八 一

ブロック塀が厚いほど、鉄筋からブロック表面までの距離(かぶり厚さ)が増して鉄筋が腐食しづらくなります。

十分な厚さのあるブロック塀の上にフェンスを設置することは、強度確保の材料になります。

ブロック塀の高さ・長さに応じて控壁が必要

【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法6つの規定|控壁

控壁(読:ひかえかべ)とはブロックを支えるために設置する壁のことです。

控壁に関する規定は、以下のとおりです

構造 規定
組積造 長さ4m以下ごとに、ブロック塀の厚さの1.5倍以上の控壁が必要
補強コンクリート造
(ブロック塀の高さが1.2m超の場合のみ)
・長さ3.4m以下ごとに、ブロック塀の高さの1/5以上の控壁が必要
・控壁には直径9mm以上の鉄筋を配置する

〈参考〉
・組積造:建築基準法施工例 第六十一条
・補強コンクリート造:建築基準法施工例 第六十二条の八 一

補強コンクリート造の場合、ブロック塀8列につき控壁を設置するイメージです。

ブロック塀の上にフェンスを設置すると重量が増し、風の影響も受けやすくなるため、控え壁はブロック塀・フェンスを支える必須の要素です。

鉄筋の適切な配置・施工が必要

【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法6つの規定|鉄筋

補強コンクリート造のブロック塀には、以下ように鉄筋を配置することが定められています

  • 直径9mm以上の鉄筋を、縦・横に80cm以下の間隔で配置
  • ブロック塀の最上段・基礎・隅はさらに鉄筋を入れる
  • ブロック塀の最上段・最下段と基礎をつなぐ部分は、「かぎかけ」という方法で鉄筋を入れる

〈参考〉建築基準法施工例 第六十二条の八 一

ブロック塀の上にフェンスを設置する際にはブロック塀に十分な耐力が必要なため、まずは既存のブロック塀に適切に鉄筋が配置されているかを確認する必要があります

ブロック塀を外から見ても鉄筋の状態を確認できないため、施工業者に現地調査を依頼してください。

 

ブロック塀の上にフェンスを設置する際に必ず確認するべき建築基準法の規定を紹介してきましたが、既存のブロック塀がある場合に、以下のような疑問・不安をお持ちではないでしょうか。

「既存のブロック塀が建築基準法の規定を満たしていない場合、罰則はある?」

「既存のブロック塀が建築基準法の規定を満たしていない場合、今すぐ規定を満たす状態にリフォームが必要?」

次に、建築基準法を満たしていないブロック塀に対する罰則等を紹介します

既存のブロック塀が建築基準法違反の場合の罰則等

【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法6つの規定|鉄筋

ご自宅に建築基準法の規定を満たしてないブロック塀がある場合、以下のような罰則等を科される可能性があります

  • 建築基準法違反に科される罰則:(設計者に対して)3年以下の懲役または300万円以下の罰金
  • 行政指導・行政処分:ブロック塀の上にフェンスを設置する工事の停止命令など
  • 賠償責任:ブロック塀の倒壊・崩壊によって被害者が発生した場合、被害に応じた責任が生じる

過去に安全性が不十分なブロック塀が原因の事故が多発しているため、国としてはすべてのブロック塀が現行の建築基準法を満たす状態になるよう、法整備などを実行しています。

ただし、「既存のブロック塀にフェンスを設置する際に建築確認申請が必要ない」といった問題もあり、現状では国・自治体が国内のすべてのブロック塀の状態を把握できていない状態です。

※建築確認申請とは、建築物が現行の建築基準法などを遵守して設計・施工されているかを、専門機関に審査してもらうための手続きです。

 

そのため、既存のブロック塀をご自身で確認し、問題がある場合にはリフォームを検討していただけると幸いです

  • ブロック塀が高すぎる場合には、適切な高さにリフォーム
  • ブロック塀にコンクリートの基礎がない場合には、ブロック塀をつくりなおす
  • ブロック塀の厚さが不足している箇所がある場合には、ブロック塀のつくりなおしorリフォーム
  • 控壁が不足している・控え壁の構造が不適切な場合には、リフォーム
  • 鉄筋の配置が不十分な場合には、ブロック塀のつくりなおしorリフォーム

 

既存のブロック塀の状態を確認するためには専門的な知識・器具などが必要ですが、ひとまず次に紹介するポイントを参考に、ご自宅のブロック塀を確認しましょう

既存のブロック塀が大地震で倒壊・崩壊しないかをチェックするポイント

地震で倒壊したブロック塀

既存のブロック塀の状態をチェックする主なポイントは、以下のとおりです。

  • 基礎の有無
  • 傾き・ひび割れ
  • ブロック塀表面に茶色・白色の付着物・水滴がある

基礎の有無

ブロック塀の足元周辺が土の場合は、土を少し掘ると基礎の有無を確認できます

コンクリートの上にブロック塀を設置している場合は、コンクリート・ブロックを鉄筋でつなげて強度を確保しますが、以下のようなケースがあることも事実です。

  • コンクリート・ブロックをつなげていない
  • 鉄筋が劣化し、強度が落ちている
  • 施工不良によって、強度が低い など

本格的な状況確認はリフォーム会社等のプロに依頼が必要ですが、ブロック塀に力を加えて比較的簡単に動くようであれば、早急にリフォームを検討してください。

傾き・ひび割れ

地震で傾いたブロック塀

ブロック塀の傾き・ひび割れは目視で確認可能です

過去の大地震などでダメージを受けて傾き・ひび割れが発生しているブロック塀は、次の地震で倒壊・崩壊する危険性が高いため、早急にリフォームを検討してください。

ブロック塀表面に茶色・白色のシミ・水滴がある

茶色のシミがあるブロック塀

ブロック塀表面に茶色・白色のシミ・水滴がある原因は、「鉄筋の劣化」「ブロック内の物質が雨と一緒ににじみ出した」などです。

ブロック塀自体の強度が落ちている可能性があるため、リフォームを検討することをおすすめします。

 

過去の大地震でブロック塀の倒壊・崩壊の報告が多数あり、死傷者も発生しています。

ブロック塀の上にフェンスを設置する際には、既存のブロック塀の状態を確認したうえで、十分な強度を確保できるプランを組み立ててください

 

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ブロック塀のリフォーム時に活用できる補助金

ブロック塀工事

2019年より、一定規模以上(長さ25m超など)のブロック塀の耐震診断が義務化されました。

それにともなって、一般住宅も対象となる「ブロック塀の耐震診断・解体・リフォームに対する補助金事業」が実施されています

実施状況は自治体によって異なるため、ぜひ「自治体名 ブロック塀補助金」などでインターネット検索をして、最新情報を確認してください。

今回は、例として東京都千代田区が実施している補助金の内容を紹介します

項目 内容
名称 ブロック塀等の改善工事助成制度
補助額 ・解体:40万円(補助率10/10)
・解体後の設置工事:30万円(補助率1/2)
対象者 ・千代田区内のブロック塀等を所有する個人・中小企業者
(工事業者を除く)
対象のブロック塀 道路などに面する高さ1メートル以上のブロック塀等で、安全性が十分ではないもの

〈参考〉千代田区ホームページ『ブロック塀等の安全点検と改善工事助成制度の案内』

 

首都圏で補助金を活用したエクステリア・玄関・窓のリフォームを検討中の方は、株式会社MAC(マック)へお問い合わせください。

ご予算・ご要望を伺い、お得にリフォームを実施できるプランを提案いたします

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ブロック塀の上にフェンスを設置する方法・注意点

【ブロック塀の上にフェンス】建築基準法6つの規定

最後に、ブロック塀の上にフェンスを設置する方法、設置時の注意点も簡単に確認しましょう。

ブロック塀の上にフェンスを設置する方法

ブロック塀の上にフェンスを設置する方法は、以下のとおりです。

  • 既存フェンスの内側に新しいフェンスを設置
  • 既存のブロック塀に穴を開けてフェンスを設置
  • 既存フェンスにサンシェード・グリーンフェンスを取り付ける

また、フェンスの素材は主にスチール・樹脂・アルミ・無垢材などで、素材によってフェンスの重量・耐久性などが違うため、気候・周辺環境などを考慮してフェンスの設置方法・素材を選んでください。

 

ブロック塀の上にフェンスを設置する工事の詳しい内容・費用などを、こちらの記事で確認できます。

〈関連ページ〉外構フェンスに目隠しを後付けする方法|費用、アルミなど素材ごとの特徴、事故・不具合を防ぐ注意点も紹介

ブロック塀の上にフェンスを設置する際の注意点

ブロック塀の上にフェンスを設置する際の注意点は、以下のとおりです。

  • DIYではなくプロに依頼するのがおすすめ
  • ブロック塀と建物は50cm以上離すのがベスト(基礎を適切につくれないため)
  • 既存のブロック塀の状態によっては、フェンスではなく植栽での目隠しを検討する
  • 敷地内の採光・通風を遮らない設計にする

ブロック塀の上にDIYでフェンスを設置する方法を紹介したYouTube動画などがありますが、今回紹介してきたとおり、建築基準法の規定を満たしながら安全性も確保する必要があるため、プロに依頼するのがおすすめです

また、既存のブロック塀・ご自宅の状況に応じて柔軟に設計・施工プランを組み立てる必要があるため、ぜひ2〜3社の施工業者を比較して、信頼できる施工業者を選んでください。

まとめ

ブロック塀の上にフェンスを設置する場合に、必ず確認するべき建築基準法の規定などを紹介してきました

法令を守りながら適切な設計・施工をするためには、専門的な知識・技術が必要です。

また、ブロック塀は敷地の境界に設置するのが一般的で、大地震などによる倒壊・崩壊時には、ご家族だけでなく隣接する土地・通行人の命を脅かす可能性もあります。

今回紹介した情報を参考にして、安全性を重視しながら理想の外構を実現していただけると幸いです。

 

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