アルミ樹脂複合サッシで十分?サッシごとの特徴を紹介│具体的な6つの選び方も解説
「アルミ樹脂複合サッシで十分」
こうした意見を見かけることがあります。
日本では既存の住宅ではアルミサッシ、新築住宅ではアルミ樹脂複合サッシやオール樹脂サッシが主に利用されています。
このうちオール樹脂サッシの方が性能が高いにも関わらず、アルミ樹脂複合サッシで十分とされる理由は何なのでしょうか。
本記事では、アルミ樹脂複合サッシやその他のサッシの特徴を紹介した上で、サッシの選び方についても解説します。
新築、リフォームを問わずサッシの選び方について悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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このコラムのポイント |
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Contents
アルミ樹脂複合サッシの特徴を紹介
アルミ樹脂複合サッシとは、アルミと樹脂を組み合わせたサッシを指します。
外側に耐久性、耐候性が高いアルミを、内側に断熱性能に優れた樹脂を使用することで、長期的な耐久性と快適性を保つ断熱性を両立している点が特徴です。
アルミ樹脂複合サッシのその他の特徴は次のとおりです。
- 樹脂部分の断熱性が高く、アルミサッシより快適な温熱環境を実現できる
- 外側にアルミを使用していることから、風雨や日光による劣化に強い
- アルミはサビが発生しづらいことから、掃除などのメンテナンスが容易
- オール樹脂サッシと比較すると単価が安く、導入費用を抑えられる
その他の種類のサッシと特徴を紹介
〈引用〉国土交通省 脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会
サッシを選ぶためには、選べるサッシの特徴を把握する必要があります。
そこで、アルミ樹脂複合サッシ以外の特徴も紹介します。
アルミサッシ
アルミサッシとは、サッシ全体にアルミを使用した製品を指します。
アルミサッシの主な特徴は以下のとおりです。
- サッシ全体がアルミであることから断熱性が低く、室内に暑さ寒さが伝わりやすい
- 室内外の寒暖差が大きくなることから、結露が発生するケースが多くなる
- 内外にアルミを使用していることから、水分や日光による劣化に強い
- サビが発生しづらいことから、掃除などのメンテナンスが容易
- アルミ樹脂複合サッシと比較しても価格が安く、導入しやすい
〈関連コラム〉
【アルミサッシで寒い!どうして?】寒さ対策の方法を解説│DIYで断熱する方法やアルミの問題点も紹介
オール樹脂サッシ
オール樹脂サッシとは、サッシ全体に樹脂を使用した製品を指します。
オール樹脂サッシの主な特徴は以下のとおりです。
- 樹脂特有の断熱性でアルミ樹脂複合サッシより快適な温熱環境を実現できる
- 断熱性、気密性が高く、アルミ樹脂複合サッシより結露の発生を抑えられる
- 気密性の高さから、外部の騒音を遮断する遮音性能が高い
- アルミ樹脂複合サッシより導入費用が高くなる
- 風雨や日光により劣化しやすいことが指摘される
- 強度を確保するために枠が太くなりがちで、デザインに不満を感じることがある
木製サッシ
木製サッシとは、サッシに木材を使用した製品を指します。
木製サッシの主な特徴は以下のとおりです。
- オール樹脂サッシを超える、非常に高い断熱性能を持つ
- オール樹脂サッシよりも結露の発生を抑えられる
- 木製ならではの質感やデザインを実現できる
- オール樹脂サッシより単価が高く、導入費用が高額になる
- 一定期間ごとに防水塗装を施すなどメンテナンスが必要
各サッシの普及率を確認
〈引用〉国土交通省 脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会
気になることは、各サッシの普及の割合です。
国土交通省の資料によると、2020年時点での各サッシの普及率(使用率)は以下のとおりです。
- アルミ:10.0%
- アルミ樹脂複合:67.5%
- 樹脂:22.3%
新築やリフォームで取り付けられる窓の多くはアルミ樹脂複合サッシで、性能を高めたい場合はオール樹脂サッシを利用するケースが多くなっています。
既存の窓+内窓(二重窓)もおすすめ
既存のサッシに不満がある場合、紹介した各種サッシを利用することのほか、既存の窓はそのままに内窓(二重窓)を利用する手段もあります。
内窓を設置することで、既存の窓と内窓の間に大きな空気の層ができますので、断熱性や遮音性が高まることを期待できます。
どのサッシが適しているのかは、お住まいによって変わります。
選び方について悩んでいる方は、専門家に相談することもおすすめです。
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サッシの種類、6つの選び方を解説
サッシの種類や特徴が分かったところで、確認したいことは具体的な選び方です。
次の6つの選び方を基準にして、最適なサッシを選びましょう。
- 断熱性、気密性
- 結露の有無
- 耐候性
- 価格
- デザイン
- 重量
断熱性・気密性
1つ目はサッシの断熱性、気密性です。
断熱性能が高いと、外部の熱や冷気が窓を通じて侵入する割合を減らせます。
また、気密性が高いと外から侵入する隙間風の量を減らすことができます。
〈引用〉国土交通省 省エネ性能表示制度
気温の低い地域では、オール樹脂サッシや木製サッシなど断熱性が高いサッシがおすすめです。
国土交通省が公表している、気候条件別の地域区分を参考にしてサッシの種類を決めることもできます。
なお、断熱性については、サッシの選び方に加えて複層ガラス(ペアガラス、トリプルガラス)やLow-eガラスなど、ガラスの種類を入念に選ぶことも重要です。
〈関連コラム〉
【単板ガラス・複層(ペア)ガラスの見分け方】とは?性能の違い、その他のガラスの特徴も紹介
結露の有無
2つ目は、結露の有無です。
サッシの断熱性によって結露の発生しやすさは異なり、発生によってカビやダニの原因にもなります。
基本的には断熱性が高いほど結露の発生量を抑えられますので、結露が気になる方はオール樹脂サッシや木製サッシの利用がおすすめです。
〈関連コラム〉
【窓の結露は何度から?】発生しやすい条件や問題点、防ぐ方法まで解説
耐候性
3つ目は、耐候性です。
サッシは長期間にわたって雨風や日光にさらされますので、劣化しづらい素材を選ぶことが重要です。
耐候性を重視する場合は、アルミサッシやアルミ樹脂複合サッシが勧められます。
ただし、サッシメーカーのYKKが実施している耐候性試験では、30年経過した製品でも表面変化が見られず、オール樹脂サッシも高い耐候性を有していることが証明されています。
価格
4つ目は、価格です。
サッシの価格は、素材によって大きく異なります。
一般的には、アルミサッシが最も安価で、続いてアルミ樹脂複合サッシ、オール樹脂サッシ、木製サッシの順で製品単価は高くなります。
初期費用を抑えることと同時に、高性能なサッシを選ぶことによる光熱費削減など、長期的な恩恵も考慮しつつ選ぶことが重要です。
なお、高性能な窓への交換リフォームは、国や地方自治体から補助金の交付を受けられます。
活用して安価に高性能な窓を導入しましょう。
〈関連コラム〉
【2025年】真空ガラスや二重窓など、断熱窓・ガラスへの交換リフォームの補助金解説│制度の調べ方や注意点も紹介
デザイン
5つ目は、デザイン性です。
サッシは機能面に加えて、住宅の外観や内装の印象を左右します。
素材によって質感が変わり、また色や形状によってもデザインに影響します。
たとえばアルミサッシやアルミ樹脂複合サッシは強度を保ちやすく、フレームを細くシャープな印象に仕上げることが可能です。
一方でオール樹脂サッシは、強度を確保するために枠が太くなりがちです。
このように、素材による窓の印象の違いを確認する必要があります。
重量
6つ目は、重量です。
重いサッシは開閉時に負担がかかりますので、力に自信のない方は力を使わず開閉できる、アルミ樹脂複合サッシがおすすめです。
日常的な使いやすさに直結しますので、可能であれば開閉動作を体感してみましょう。
このように、サッシを選ぶ基準は多岐にわたります。
検討せずにサッシを決めると後悔につながる可能性もありますので、専門家に相談しながら決めることをおすすめします。
首都圏でサッシの交換リフォームをご検討中の方は、株式会社MAC(マック)まで、お気軽にご相談ください。
まとめ
〈施工事例〉千葉県富津市窓交換リフォーム工事|真空ガラススペーシア施工例
「アルミ樹脂複合サッシで十分ですか?」
実はこの質問には容易に回答することはできません。
お住まいの地域や窓の使い方、現在の窓への不満点などの情報がなければ判断できないからです。
比較的温暖な地域に住んでいて、サッシの交換費用を抑えたい場合などは、アルミ樹脂複合サッシでも十分といえます。
一方で、温暖な地域でも結露の発生に悩んでいる場合は、オール樹脂サッシをおすすめする場合もあります。
最適なサッシの種類はご家庭によって異なりますので、玄関ドアや窓のリフォームを専門とする業者に相談することをおすすめします。
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