忍び返しの設置に違法性はある?エクステリアでできる7つの防犯対策も解説
「忍び返しの設置に違法性はありますか?」
こうした質問を頂くことがあります。
屋根先や雨樋に取り付けて、2階以上からの侵入を試みる窃盗犯に備える忍び返しは、鋭利な刃物を取り付けることから違法性を不安に思う方もいます。
そこで本記事では、忍び返しの設置に違法性はあるのか解説します。
そもそも忍び返しを取り付ける目的やメリット、また忍び返しの違法性を不安に思う方に向けて、他の防犯対策も解説しますので、住まいの防犯性が気になる方はぜひ参考にしてください。
このコラムのポイント |
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Contents
忍び返しとは?
忍び返しとは、窃盗犯などが敷地内に侵入することを防ぐため、防犯目的で屋根などに取り付ける仕掛けを指します。
城や砦などの屋根や壁面などに取り付けられていましたが、現代においては屋根や雨樋、住宅の塀やフェンスなどの上に防犯対策として設置されています。
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忍び返しを取り付ける目的・メリット
忍び返しを一戸建てに設置する場合、どういったメリットがあるのか紹介します。
威圧的な見た目を活かした犯罪の抑止
1つ目は、忍び返しの見た目が持つ「威圧感」によって犯罪の抑止を図ることです。
忍び返しは先の尖った金属や鋭利な刃物で構成されていますので、窃盗犯が下見をする際に「この家は防犯に配慮している」と印象付けられます。
実際に侵入窃盗犯が家の下見で気にすることの中で、「入り易く逃げ易いこと」は2番にランクインしていて、忍び返しによって侵入窃盗を未然に防げる可能性を示しています。
物理的な侵入防止効果
2つ目は、忍び返しで物理的に侵入を防止する効果が期待できることです。
忍び返しは金属など強固な素材でできていますので、窃盗犯が塀やフェンスを乗り越えること、または雨樋や屋根を手がかりにすることを困難にします。
万が一侵入窃盗のターゲットにされた場合でも、実際に侵入を試みた際に忍び返しが支障となり、諦めざるを得ない状況を作ることも期待でき、防犯の最終ラインを守る役割を果たします。
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首都圏でこうした効果のある忍び返しの設置など、外構・エクステリアでの防犯対策をご検討中の方は、株式会社MAC(マック)まで、お気軽にご相談ください。
忍び返しで起きた事件とは?
こうした効果を期待できる忍び返しですが、なぜ違法性が不安視されるのでしょうか。
実は忍び返しによって、窃盗犯が負傷する事件が発生しています。
2023年10月、京都市の住宅街で侵入窃盗事件が発生しました。
このとき、よじ登った塀には忍び返しが設置されていて、窃盗犯の腕や腹部に刺さり負傷しています。
このように、防犯目的で忍び返しを設置したものの、実際に窃盗犯が傷害を負う事件を目にすると「傷害事件として逮捕されるのでは」と不安に感じてしまいます。
忍び返しの設置に違法性はある?
京都市の事件のように、忍び返しで窃盗犯などがケガをした場合、違法性はあるのでしょうか。
法律の面から確認します。
基本的には違法性はない
結論からお伝えすると、忍び返しの設置は基本的には違法性はないと考えられます。
こうした結論の根拠となる法律は、刑法第三十六条(正当防衛)です。
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
このうち「急迫不正の侵害」とは、他人からの違法行為により、まさに今、生命や身体、財産などが侵害される恐れがある状態です。
侵入窃盗犯が押し入ろうとする状況は「急迫不正の侵害」にあたり、また防衛するためにやむを得ずする行為は「罰しない」ことから、忍び返しに違法性はないと考えられます。
フェンスの最上段などに設置される有刺鉄線も、忍び返しと同様の機能・目的で設置されますが、同様に違法性はないとされます。
設置方法によっては違法になる場合も
なお、違法性がないと考えられるのは、忍び返しが適切に利用されている場合です。
たとえば、道路沿いの手に触れられる高さに忍び返しが設置されているなど、通行人がケガをする恐れのある方法で利用していれば違法性を指摘される恐れがあります。
あくまで対象を侵入窃盗犯として、他の人や動物、車などが触れることのないよう配慮して設置しなければいけません。
なお、違法性の有無については、忍び返しの設置場所や目的などによって判断が分かれる可能性がありますので、不安のある方は地方自治体や防犯対策の窓口に相談しましょう。
ご自身で設置する場合、十分に固定できず強風などで落下する恐れもあります。
忍び返しの設置は、適切な施工ができるプロへのお任せがおすすめです。
首都圏での設置を検討している場合は、株式会社MAC(マック)まで、お気軽にご相談ください。
忍び返し以外の防犯対策7選
「忍び返しで誰かにケガをさせてしまうのは怖い…。」
このように思う方に向けて、忍び返しを使わずにエクステリアを活用して防犯効果を高める7つの対策を紹介します。
- 防犯カメラ
- センサーライト
- 常時点灯の外灯
- 生垣・植栽の活用
- 防犯砂利
- 見通しの効くフェンスの利用
- 外構の整頓
防犯カメラ
1つ目は、防犯カメラです。
防犯カメラを設置することで、万が一侵入窃盗に入られた場合も映像として記録に残すことができ、犯人を逮捕できる確率が高まります。
また、防犯カメラがあるだけでも窃盗犯に対して威圧感を与えられ、犯罪の抑止力として働くことを期待できます。
センサーライト
2つ目は、センサーライトです。
夜間、センサーに反応した場合に点灯するライトを外構に取り付けることで、窃盗犯が侵入した際に照明で照らし退散を促します。
また、防犯カメラと同様に、センサーライトがあることを知った窃盗犯に思いとどまらせることにもつながります。
常時点灯の外灯
3つ目は、常時点灯の外灯を設置することです。
センサーライトと同時に、夜のあいだ常に点灯している外灯の存在も効果的です。
明るい場所は窃盗犯が隠れる環境を奪うことができ、侵入を防ぐ効果を期待できます。
「住民や通行人から見えているかもしれない」と心理的なプレッシャーにつながり、防犯に高い効果を発揮します。
生垣・植栽の活用
4つ目は、生垣や植栽の活用です。
侵入窃盗犯は、窃盗に入る前に対象とする家の周囲を下見します。
下見の際は、留守の時間や窓辺の防犯性などがチェックされますが、生垣や植栽によって室内の様子が見えなければ、下見を防ぐことが可能です。
防犯砂利
5つ目は、防犯砂利の利用です。
防犯砂利とは、踏むことで大きな音が発生する特殊な砂利のことで、外で不審な動きがあることで家主や近隣住民が気付けるメリットがあります。
防犯砂利はホームセンターなどで安価に購入でき、容易に設置できる点もメリットです。
見通しの効くフェンスの利用
6つ目は、隣家との境目に塀を設置せず、見通しの効きやすいフェンスを設置することです。
視線が通るフェンスを設置することで、侵入窃盗犯にとっての隠れる場所を奪うことができますので、侵入を諦めさせる効果があります。
また、自宅敷地から近隣の敷地が見通しやすいことから、地域全体の防犯効果を高める効果も期待できます。
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外構の整頓
7つ目は、外構の整頓です。
外構に資材やゴミが多くあると、侵入者が隠れる場所を提供することとなります。
また、コンテナや脚立が立て掛けられていると、窃盗犯が足場として利用し2階ベランダに侵入する恐れもありますので、倉庫などに収納することをおすすめします。
防犯対策を検討する場合、住まいの防犯上の弱点に合わせて複数の対策を施すことが重要です。
首都圏でのお住まいの状況に合わせた最適な防犯対策は、株式会社MAC(マック)まで、お気軽にご相談ください。
まとめ
「忍び返しの設置に違法性はありますか?」
こうした疑問にお答えしました。
屋根や雨樋、塀やフェンスの上に設置して、侵入窃盗犯を心理的・物理的に遠ざける忍び返しは、防犯面で効果的な対策といえます。
通行人などが触れられるところを避けるなど、適切な利用によって違法性を避けられる可能性が高まりますので、忍び返しの購入・設置は専門家を交えることをおすすめします。