自動ドアは建物のユニバーサルデザイン化に役立つ|なぜ・誰のために自動ドアの検討が必要なのかを解説

自動ドアは建物のユニバーサルデザイン化に役立つ|なぜ・誰のために自動ドアの検討が必要なのか

ユニバーサルデザインとは「誰でも、自由に、簡単に」などの方針で商品・公共物などを設計する手法のことで、建物に自動ドアを導入するとユニバーサルデザイン化に役立ちます。

ただし自動ドアは通常のドアよりも高額なので、ユニバーサルデザインがなぜ役立つのか・誰に役立つのかを明確に把握してから導入を検討したいですよね。

そこで今回は、首都圏の建具・エクステリア専門店『株式会社MAC(マック)』が、「ユニバーサルデザインの概要」「自動ドアのメリット・デメリット」などを、わかりやすく解説します。

 

首都圏でビル・店舗・ご自宅などに自動ドアの導入を検討している方は、株式会社MAC(マック)へお問い合わせください。

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ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインの考え方はアメリカ発祥で、1980年代から世界に広まりました。

国は現在「ユニバーサルデザインを取り入れたバリアフリー化の推進」に取り組んでいて、公共施設などで、意識せずにユニバーサルデザインに触れる機会が増えています

はじめに、ユニバーサルデザインの概要を簡単に確認しましょう

ユニバーサルデザイン7つの原則

すべてのユニバーサルデザインには、以下7つの原則が適用されています

ビル・店舗などを利用する方の利便性を考慮する際に役立つ原則ですので、ぜひご確認ください。

  1. 誰でも公平に使える
  2. 自由に使える
  3. 簡単に使える・理解できる
  4. 短時間で理解できる
  5. 間違い・危険が生じない
  6. 体に負担なく楽に使える
  7. 使うための空間が確保されている

7つの原則はご高齢の方・障害をお持ちの方などを対象としているイメージがありますが、本来は年齢・健康状態などにかかわらず誰にでも役立つ原則です。

そのためユニバーサルデザインは、「公共施設」「多くの方が利用するビル・店舗など」だけでなく、「ご家族が暮らす住宅」にも取り入れることが可能です

国は「公共施設などのバリアフリー義務化」でユニバーサルデザインを推進

国はユニバーサルデザインの原則を取り入れたバリアフリー化を、「バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)」にもとづいて、一部で義務化しています

【義務化されている場所】

以下の公共施設の出入り口・目的の場所までの経路などを新設する場合に、ユニバーサルデザインの原則を取り入れたバリアフリー化が義務。(既存の出入り口などに対しては、努力義務)

  • 公共交通事業者等が新設する旅客施設・車両等
  • 路外駐車場の新設
  • 自治体がつくる公園、公園内の施設の新設 など

〈参考〉高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 第八・十一・十三条など

 

一般のビル・店舗などには義務化されていませんが、公共施設などを使用した際に利便性が高いと感じる設計・デザインがある場合は、参考にできますね。

ユニバーサルデザインとバリアフリーなどの違い

ユニバーサルデザインには似ている言葉が複数あるため、違いも確認しておきましょう

ユニバーサルデザインはすべての方を対象として、7つの原則をもとに物・サービスなどを設計します。

一方で、以下のような言葉は、対象となる人・物などを限定している点が、ユニバーサルデザインと違います

  • バリアフリー:ご高齢の方・障害をお持ちの方など、移動などに身体的制約をお持ちの方が対象の設計手法で、ユニバーサルデザインに含まれる。
  • アクセシブルデザイン:既存の物・サービスなどを、よりたくさんの方が使えるように改良する設計手法で、ユニバーサルデザインに含まれる。
  • SDGs:「全ての人々が持続可能な開発の恩恵を受けられる社会をつくる」という国際目標で、「誰一人取り残さない」という方針がユニバーサルデザインと共通している。

 

ユニバーサルデザインの概要を把握すると、自動ドアにはユニバーサルデザインが取り入れられていることがわかりますよね。

ただし自動ドアにはデメリットもあるため、次に確認しましょう

自動ドアは建物のユニバーサルデザイン化に役立つ|なぜ・誰のために自動ドアが必要なのか

自動ドアは建物のユニバーサルデザイン化に役立つ|なぜ・誰のために自動ドアの検討が必要なのか

「ビル・店舗などにユニバーサルデザインを取り入れると利用者に役立つことは理解できるけど、自動ドアは必須ではない」とお考えの方が多いと思います。

実際に自動ドアにはデメリットもあり、すべてのビル・店舗に向いているとはいえないため、自動ドアの必要性を判断するために以下の項目を一緒に確認しましょう。

  • 自動ドアのメリット・デメリット
  • 自動ドア導入はなぜ・誰のために検討が必要なのか
  • 自動ドア導入に向いている場所
  • 最新の自動ドアの仕組み・機能

自動ドアのメリット・デメリット

自動ドアは、年齢・性別・健康状態・国籍などにかかわらず、誰もが特別な動作をせずにビル・店舗に出入りできる点が最大のメリットです

【自動ドアが特に役立つことを想定できる対象者】

  • 車椅子利用者
  • 介助を受けている方・介助をしている方
  • ベビーカーを押している方
  • 小さなお子さま
  • 大きな荷物を持っている方

また、ビル・店舗の運営・管理面でもメリットがあります。

  • ドアに触らずに出入りできるため、感染症対策・衛生管理に役立つ
  • 閉め忘れることがないため、ビル・店舗内の温度管理・衛生管理などに役立つ

 

ただし、自動ドアには以下のようなデメリットもあります

  • 通常のドアよりも初期費用・メンテナンス費用が高額
  • 故障時には通常のドアよりも開けづらいため、修理が終わるまで不便
  • 停電時・火災時などに開放or閉鎖したままの状態になる可能性がある
  • ビル・店舗などの用途によっては、誰でも自由に出入りできることが防犯面の不安につながることがある

自動ドアは、長期的な視点でコスト・メンテナンスの手間を確認しておくことで、導入後の後悔を防げます。

自動ドア導入はなぜ・誰のために検討が必要なのか

自動ドアの導入は、「ドアに出入りすることを諦める」「ドアに出入りできず困る」といった障害を感じずにビル・店舗などを利用してもらいたい場合に、検討が必要です

また、健康で十分な力・時間のある方も、お子さまと手をつないで荷物を持っているなど、ドアを簡単に開閉できない場面がありますよね。

そのため、ビル・店舗などを利用するすべての方をイメージして、導入を検討していただけると幸いです

自動ドア導入に向いている場所・向いていない場所

自動ドア導入に向いている場所の例は、以下のとおりです。

  • 医療機関
  • 福祉施設
  • 食品製造など、衛生管理が必要な空間の出入り口
  • ショッピング目的で利用されるビル・店舗など
  • 多目的に利用されるビル・店舗など
  • 完全バリアフリーを目指す住宅 など

一方で以下のような場所では、出入りする方を管理できるドアのほうが向いている場合があります

※出入りする方を管理できる自動ドアもあるため、次に「自動ドアの仕組み・最新機能」で紹介します。

  • 教育施設のメインエントランス
  • 児童向けのサービスを提供する空間の出入り
  • 完全予約制・会員制でサービスを提供する店舗など(エステサロンなど)
  • マンション
  • 宿泊施設
  • 一定の方のみの利用を想定しているオフィス など

 

首都圏でビル・店舗・ご自宅などに自動ドアの導入を検討している方は、株式会社MAC(マック)へお問い合わせください。

自動ドアを利用する方の利便性を十分に考慮して、最適なプランを提案いたします。

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自動ドアの仕組み・最新機能

自動ドアは制御装置で作動する仕組みで、人感センサーor重量センサーorボタン操作でドアが開閉します

近年の自動ドアは、ユニバーサルデザインを取り入れた以下のような機能を備えています。

  • 重さではなくセンサーで開閉する
  • ドアを閉じている途中に人・物を検知すると、ドアが開く(ドアに人・物が挟まれない)
  • ドアを横切る人・物には反応しない など 

また、以下のような機能を備えている自動ドアもあります。

  • 顔認証機能
  • 「あける・しめる」ボタンはあるが、非接触で開閉可能
  • 人の動きに応じて開閉スピードが自動調整される  など

開閉方法・デザインバリエーションも増えているため、「自動ドアを設置する空間に応じてさまざまな選択肢から選べる」と考えていただけると幸いです。

【選択肢の例:開閉方法の種類】

  • 引き分け戸:左右に開閉
  • 引き込み戸:左or右どちらかに開閉
  • 開き戸:前or後に開閉

自動ドア以外のユニバーサルデザインドア

ユニバーサルデザイン|引き戸

ここで、「自動ドア以外にもユニバーサルデザインを取り入れたドアはある?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自動ドア以外の選択肢として以下のようなドアがあります

  • 軽く力を加えるだけで&大きく移動せずに開閉可能な「引き戸」
  • 押すだけで前後に開閉する「折り戸」
  • 上部のレールで開閉できる「吊り戸」
  • キーをかざすだけで開閉を操作できる「オートロック」のドア など

 

こちらの記事で、ご自宅の玄関ドアを引き戸にリフォームする際に活用できる補助金の内容を確認できます。

〈関連ページ〉【2025年最新】玄関引き戸のリフォーム補助金を申請する方法|いくら、いつまでなど解説

生活・社会の中にあるユニバーサルデザイン例

生活・社会の中にあるユニバーサルデザイン

次に、生活・社会の中にあるユニバーサルデザインの例も紹介します。

ビル・店舗などの運営、商品・サービスの開発などにあたって、ドア以外にもユニバーサルデザインを取り入れられる場面があるので、参考にしてください。

日用品

日用品に取り入れられているユニバーサルデザインの例は以下のとおりで、直感的に使用できるよう工夫された日用品がたくさんあります

  • シャンプー・リンスのボトル:触るだけでシャンプーorリンスを判別できるように、シャンプーボトルに突起がある
  • センサー式蛇口:触らずに水道を操作できる
  • 照明:弱い力で簡単に照明を点灯・消灯できるように、照明ボタンがシーソー式になっている など

住宅・建築物

住宅・建築物には、年齢・身体状態などにかかわらず使いやすく、転倒などの事故が起きづらい設計・デザインが取り入れられています

  • トイレ:センサーでフタが開閉する
  • 手すり:階段・廊下などに設置
  • 床材:滑りにくいフローリング材・浴室の床
  • エレベーター:低い位置にボタンを設置、音声案内、鏡や手すりを設置 など

 

こちらの記事で、玄関前の移動をスムーズにする玄関スロープの後付け方法を確認できます。

〈関連ページ〉玄関スロープの後付け方法や設置ポイント|車椅子対応設計の費用と補助金制度も紹介

公共物

公共物にも、年齢・身体状態などにかかわらず使いやすい設計・デザインが取り入れられています

  • ノンステップバス
  • 駅の改札口
  • 歩道の段差解消 など

公共マーク

公共マークは、一般的な共通認識をデザインに取り入れて、直感的に理解・使用できるようデザインされています

  • マタニティマーク
  • 高齢運転者マーク
  • 駅の案内板に表示されているピクトグラム(電車マークなど) など

情報

インターネット上の情報・企業が公表している情報などにも、ユニバーサルデザインの原則が活用されています

  • 音声読み上げ機能
  • デバイス(スマホ・パソコン・タブレットなど)に関わらず見やすいデザインで情報を表示
  • 内容を理解しやすいデザイン・構成 など

ユニバーサルデザインが社会全体に浸透していない理由

ユニバーサルデザインが社会に浸透していない

国はユニバーサルデザインを取り入れたバリアフリー化の推進などに継続して取り組んでいますが、現状ではユニバーサルデザインが社会全体に浸透しているとは言えない状況ですよね。

ユニバーサルデザインが社会に浸透していない主な理由は、自治体によって取り組みが違うためです

  • 予算の確保が難しい
  • 専門知識・ノウハウを持つ人材が不足している
  • ユニバーサルデザインよりも優先度の高い整備項目がある など

ユニバーサルデザインは、すべての方にとって社会の中で自由に暮らすために役立つ設計手法ですので、多くの方が訪れるビル・店舗などを新設・リフォームする際には、用途・利用者の利便性などを改めて考慮し、活用していただけると幸いです。

 

首都圏でビル・店舗・ご自宅などに自動ドアの導入を検討している方は、株式会社MAC(マック)へお問い合わせください。

対象となる方・用途などを丁寧に伺い、最適なプランを提案いたします。

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まとめ

ビル・店舗などへの自動ドア導入を検討中の方へ、「ユニバーサルデザイン」という視点から必要性・デメリットなどを解説してきました

自動ドア・自動ドア以外のドアどちらを選択する場合でも、ユニバーサルデザインを意識することは、ビル・店舗などの利用者に寄り添った設計・デザインを考案する際に役立ちます。

今回紹介した情報を参考にして、多くの方が何度も訪れたくなる設計・デザインを完成させていただけると幸いです。

 

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