サッシ(窓枠)から雨漏りする原因と応急処置|コーキング打ち直しなどの本格的な修理方法と費用も解説
「雨が降るとサッシだけ濡れているような状態になる」「窓枠のネジ部分から水が漏れている」など、雨漏りの症状に気づくと焦りますよね。
ひとまず応急処置をして原因を突き止め、症状がひどくならないうちに修理をする必要があります。
そこで今回は、首都圏の窓リフォームの専門家『株式会社MAC(マック)』が、サッシ(窓枠)からの雨漏りの原因・雨漏りを止める方法をわかりやすく解説します。
住宅瑕疵担保責任保険・火災保険の補償で修理できるケースも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
サッシ(窓枠)から雨漏りする原因
サッシとは、窓の「窓ガラス以外の部分」のことで、窓枠もサッシの一部です。
サッシの雨漏りは原因に応じて修理方法を検討する必要があるため、はじめにご自宅の雨漏りの原因を確認しましょう。
- サッシの変形
- サッシ周辺のコーキング剤・防水テープ・防水紙の劣化
- サッシ周辺の防水テープ・防水紙などの施工不良
- サッシ周辺の設備(換気扇・配管など)の不具合・施工不良
- 外壁のひび割れ
サッシの変形
サッシの変形が起きる原因は「経年劣化」「地震の影響」などで、サッシと外壁・窓ガラスにすき間がある場合に雨漏りが発生する可能性があります。
サッシが変形しているかどうかは、以下のような方法で確認してください。
- 目視ですき間を確認できる場合は、変形している。
- サッシに水準器を当てて水平でない場合は、変形の可能性がある。(水準器はホームセンターなどで購入できるほか、スマホアプリにもあります)
- 窓ガラスの枠(框:かまち)を押して動くような感じを受ける場合は、変形の可能性がある。
- 定規2本で直角をつくり、サッシに当ててすき間ができる場合は、変形の可能性がある。
- 窓を開閉しづらい場合は、変形している可能性がある。
- すき間風の音が聞こえる場合は、変形の可能性がある。
窓を開閉しづらい・窓からすき間風の音が聞こえる場合の原因・対処法を、こちらの記事でも確認できます。
〈関連ページ〉窓の隙間風がうるさい原因と対処法|新築の場合にクレームを言って大丈夫かも解説
〈関連ページ〉【サッシの窓枠やレール】歪み・閉まらない・隙間の原因とは?修理・補修の方法や費用も解説
サッシの変形が軽度の場合は、既存のサッシに新しいサッシをかぶせて窓を交換する方法(カバー工法)で、雨漏りが解消する可能性があります。
窓交換の際に窓の断熱性能・気密性能・遮熱性能なども見直せるため、首都圏で窓に関するお困りごとがある場合には、株式会社MAC(マック)へお気軽にお問い合わせください。
サッシ周辺のコーキング剤・防水テープ・防水紙の劣化
コーキング剤・防水テープ・防水紙とは、サッシと外壁の継ぎ目を埋める建材のことです。
コーキング剤・防水テープ・防水紙の寿命は以下のとおりで、劣化によって本来の性能を発揮しなくなると、雨漏りが発生するケースがあります。
項目 | 寿命 |
---|---|
コーキング剤 | 5〜10年 |
防水テープ | |
防水紙 | 15〜20年 |
上記の寿命よりも高耐久のコーキング剤・防水テープ・防水紙もありますが、気候・周辺環境などの影響で早く劣化するケースもあります。
コーキング剤は、目視でひび割れ・はがれなどを確認できる場合には、劣化していると判断できます。
防水テープ・防水紙は外壁剤の内側にあるため目視できませんが、新築・窓リフォームなどからの経過年数で劣化程度を想定し、交換が必要な場合はリフォーム会社等に現地調査を依頼しましょう。
サッシ周辺の防水テープ・防水紙などの施工不良
防水テープ・防水紙は、貼り方によっては本来の性能を発揮せず、新築後に短期間でサッシの雨漏りが発生するケースがあります。
防水テープ・防水紙の施工不良は目視で確認できませんが、上記で紹介した寿命よりも極端に短い期間で雨漏りが発生している場合には施工不良の可能性があるため、新築・窓リフォームなどの施工業者へ連絡をしてください。
サッシ周辺の設備(換気扇・配管など)の不具合・施工不良
サッシ周辺に換気扇・エアコン配管などの設備がある場合にも、劣化などによる不具合・施工不良でサッシの雨漏りが発生するケースがあります。
室内・屋外から見て換気扇・エアコン配管周辺にすき間・外壁のクラックなどがある場合には、不具合・施工不良があると考えてください。
外壁のひび割れ
外壁にひび割れが発生する原因は経年劣化・施工不良・地震の影響などで、ひびから雨水が侵入してサッシが雨漏りするケースもあります。
目視で外壁のひび割れを確認できる場合には、リフォーム会社等に現地調査を依頼してください。
サッシの雨漏りが発生する原因を紹介してきましたが、いくつかの原因が重なっているケースもあります。
次に紹介する雨漏りの応急処置を実施しながら考えられる原因をピックアップしたうえで、修理等を検討しましょう。
サッシ(窓枠)の雨漏り被害を広げない応急処置
サッシの雨漏りに気づいたら、内装剤などに被害を広げないために、応急処置をする必要があります。
以下のような応急処置をできるだけ実施しながら、修理方法を検討してください。
- 水分を拭き取ったうえで、雨漏り箇所に吸水シートを当てる
- カーテンが濡れないようにして、窓周辺の家具も移動しておく
- 雨戸・シャッターがある場合は閉める
- ベニヤ板などで、外壁側からサッシごと窓を囲う
ここで、DIYでの修理を検討する方もいらっしゃると思います。
例えば「コーキング剤を充填する」という方法がありますが、施工精度によっては見た目が悪くなる・すぐにはがれるといった不具合が起きる可能性があるため、修理はプロに依頼することをおすすめします。
具体的な修理方法を、のちほど「サッシ(窓枠)の雨漏りの修理方法、費用の目安」で紹介します。
雨漏りを放置するとどうなるのか
応急処置を実施してみて、「雨漏りが一旦おさまったから、ひとまず放置しても大丈夫?」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
雨漏りを放置すると以下のような二次被害が発生する可能性があるため、放置するのはおすすめできません。
- 水分を好むシロアリが発生
- 雨漏りが広がって室内の壁も濡れ、内装剤が使えない状態になって大掛かりなリフォームが必要になる
- 外壁内の駆体(柱・梁など)が濡れて乾かず、劣化が早まる
- 水分が乾かずカビが発生する など
次に雨漏りの修理方法、費用の目安も紹介するので、なるべく早く施工業者に修理を依頼し、雨漏り被害を最小限にとどめましょう。
サッシ(窓枠)の雨漏りの修理方法、費用の目安
サッシの雨漏りを修理する主な方法は、以下のとおりです。
- 窓交換
- コーキング剤を打ち替えor打ち増し
- 外壁修繕
それぞれ、修理の内容・費用の目安などを紹介します。
※紹介する費用は、あくまでも目安です。
既存の窓の状況・施工内容・窓のグレードなどによって費用が変動するため、詳しい費用は修理を依頼する施工業者へお問い合わせください。
窓交換
以下が原因でサッシの雨漏りが発生している場合は、窓交換で雨漏りを解消できる可能性があります。
- サッシの変形
- サッシ周辺のコーキング剤・防水テープ・防水紙の劣化
- サッシ周辺の防水テープ・防水紙などの施工不良
窓の交換方法は2種類あるので、雨漏りの原因に合わせて検討してください。
窓の交換方法 | 費用の目安(1箇所) |
---|---|
カバー工法 (既存のサッシに新しいサッシをかぶせて窓を交換) |
・腰高窓:10〜20万円 ・掃き出し窓:10〜30万円 |
はつり工法 (既存のサッシをはずして窓全体を交換) |
・腰高窓:20〜30万円 ・掃き出し窓:30〜60万円 |
カバー工法は窓のサイズを変更できないため、窓周辺の設備・外壁などに不具合がない場合に検討できます。
はつり工法は窓のサイズを変更できるため、窓周辺の設備・外壁などに雨漏りの原因のとなる不具合がある場合に、不具合を丸ごと解消できる可能性がある点が魅力です。
首都圏で窓に関するお困りごとがある場合には、株式会社MAC(マック)へお気軽にお問い合わせください。
補助金活用も検討しながら、窓交換のプランを提案いたします。
窓交換の際に活用できる補助金を、こちらの記事で確認できます。
〈関連ページ〉先進的窓リノベ事業補助金はなくならず2025年も実施予定|登録事業者・対象商品など最新情報を簡単解説
コーキング剤を打ち替えor打ち増し
コーキング剤の「打ち替え」とは既存のコーキング剤をはがして新しいコーキング剤を充填する方法、「打ち増し」とは既存のコーキング剤の上に新しいコーキング剤を追加する方法です。
コーキング剤の劣化を目視で確認できる&雨漏りの症状が軽度の場合は、コーキング剤の打ち替えor打ち増しで雨漏りを解消できる可能性があります。
コーキング方法 | 費用の目安 |
---|---|
打ち替え | 1,000円前後/㎡ |
打ち増し | 500円円前後/㎡ |
「打ち替え」を実施する場合は、耐久性の高い素材を選んで打ち替えサイクルを長くすることが可能です。
「打ち増し」は、既存のコーキング剤の劣化が激しい場合は選択できないほか、既存のコーキング剤の状態によっては短期間ではがれる可能性がある点に注意してください。
外壁修繕
以下のような場合は、外壁修繕が必要となる可能性があります。
- 雨漏りの範囲が広い
- 複数の原因が重なって雨漏りが起きている
- 雨漏り箇所以外にもひび割れがある
- 外壁材・外壁塗装全体が劣化していて、近い将来、別の場所も雨漏りする可能性がある など
外壁修繕の費用は施工内容によって幅広く、ひび割れ1箇所を修繕する場合は2,000円前後/㎡、外壁全体を修繕する場合は合計で100万円以上となる場合もあります。
雨漏りの修理方法は、雨漏りの原因・症状の程度によって検討する必要があるため、ぜひ丁寧に現地調査をしたうえで適切なプランを提案してくれる施工業者に依頼してください。
2〜3社の施工業者をピックアップして現地調査・見積もり作成を依頼したうえで、施工内容・アフターフォローなどを比較して施工業者を選ぶことをおすすめします。
サッシ(窓枠)の雨漏りQ&A
最後に、株式会社MAC(マック)がサッシの雨漏りにお困りの方からよくいただく質問・回答を紹介します。
Q.雨漏りは住宅瑕疵担保責任保険・火災保険で修理できる?
屋根・壁などの構造体の設計ミス・施工不良が原因で雨漏りが発生している場合、新築・リフォームから10年以内であれば瑕疵担保責任保険の補償で修理できる可能性があります。
※瑕疵担保責任保険の加入は、新築の場合は義務、リフォームの場合は任意です。
そのため、リフォームを実施した施工業者が瑕疵担保責任保険に加入していなかった場合は、補償を受けられない点にご注意ください。
また、雨漏りの原因が台風・強風など、偶然の事故の場合は、火災保険の補償で修理できる可能性があります。
Q.1階の窓から雨漏りしている場合に屋根の状態確認は必要?
屋根の不具合が原因で1階のサッシから雨漏りが発生する可能性もあるため、状況によっては屋根の状態確認が必要です。
(例)
- 屋根材が劣化して外壁内に雨水が侵入し、1階のサッシから雨漏りが発生
- 雨樋が詰まって雨水があふれ、外壁内に雨水が侵入して1階のサッシから雨漏りが発生
- 屋根の傾斜などの設計に不具合があり、1階のサッシ周辺に雨水が当たって雨漏りが発生 など
まずは雨樋の掃除をしたうえで雨の日に屋外から屋根の状態を見て、屋根の不具合が雨漏りの原因になっている可能性があるかどうかを、確認してください。
まとめ
サッシの雨漏りについて、原因・応急処置・修理方法と費用などを紹介してきました。
はじめは少量の雨漏りでも、放置すると被害が広がる可能性があります。
今回紹介した情報を参考にして、できるだけ早めに雨漏りを解消していただけると幸いです。
首都圏で窓に関するお困りごとがある場合には、株式会社MAC(マック)へお気軽にお問い合わせください。
補助金活用も検討しながら、最適なプランを提案いたします。